注文住宅を建てるときには、どれくらいの期間がかかり、どのような流れで家づくりが進んでいくのか、初めに全体の大まかな流れをつかんでおくことが大切です。その流れを知っているかいないかで、動き出しから入居までにかかる期間や手間、費用にも差が出てきます。特に、入居する時期が具体的に決まっている場合は、そこから逆算して計画を立てる必要があります。
注文住宅を計画してから入居までの期間は、全ての計画が問題なくスムーズに進んだ場合でも1年以上かかるケースがほとんどです。住宅の構造や規模、土地の有無、依頼する建築会社の種類、依頼主の希望や要望によって、その期間は大きく変わってきます。
また、注文住宅は天候の影響や打ち合わせの都合などで、完成までの期間が延びることがよくあります。遅延する可能性も踏まえて、遅くても入居希望時期の1年以上前から計画するようにしましょう。
まず初めに、どこでどんな生活をしたいのか、どんな家に住みたいのか、家族でイメージづくりをしておくことが大切です。住宅雑誌やホームページ、モデルハウスなどを参考に家づくりに関する情報を集め、デザインや間取りなど具体的なイメージを固めておきましょう。
また、今後のライフスタイルの変化も踏まえ、住みたいエリアや価格、性能、デザインなど、何を優先するのか整理しておくことで、より効率的に土地探しや建築会社の選択ができるようになります。
どんな家を建てたいか具体的なイメージが定まったら、どのくらい予算が必要になるのか検討します。まず、実際に使える自己資金、ローンの借入枠、無理なく返済できる額がそれぞれどのくらいあるのかを把握しておきましょう。家づくりには、イメージした家を建てるために必要な建築費のほかにも、土地の購入代や付帯工事費、調査費や申請費など、さまざまな費用が発生するため、総合的に資金計画を立てることが大切です。
予算の確認ができたら、土地を探し始めます。住みたい地域の不動産会社や建築会社に、エリアや広さ、予算などを相談して探してもらうのが一般的です。土地の形状や周囲の状況によって、建物のプランや費用が変わってきます。すぐに理想の土地を見つけることは難しいですが、期限を決めて、周辺環境や広さなど優先するポイントを決めておくと探しやすくなります。
土地探しと並行して、ハウスメーカー、工務店、設計事務所など依頼する建築会社を探します。同じ家を建てるとしても建築会社によって特徴が違うため、インターネットで調べたり、住宅展示場や現場見学会に足を運んだり、できる限り情報を収集しましょう。
そして、自分がイメージする家を建ててくれそうな建築会社をいくつか選び、住宅のプラン作成を依頼します。ここまでは無料で行ってくれる場合がほとんどなので、間取り図や概算見積もりを比較検討し、理想の家づくりを任せようと思える信頼できる建築会社を選ぶことをおすすめします。
見積もりを比較検討し、建築会社が決まったら仮契約をして、敷地調査や地盤調査をして問題がなければ、土地の購入、契約へと進んでいきます。
土地契約が済んだら、建築会社にプランニングや設計をしてもらいます。間取りやデザインだけでなく、外装や内装の細かいところまで決めなくてはならないので、打ち合わせの回数が多く時間もかかります。打ち合わせをスムーズに進めるためにも、計画段階で、住みたい家のイメージを具体的に固めておくことが大切です。
住宅のプランが決まったら、建築会社と請負契約を結びます。契約の際は、契約書だけでなく、見積書や図面、仕様書など、不明な点がなくなり理解できるまでしっかりと確認しましょう。図面や契約書が準備できたら、住宅ローンの申請を行います。
契約後に建築会社が建築確認申請を行い、建築確認済証が交付され、初めて家の建築が始まり、着工、上棟、竣工という流れで進められます。
建物が完成したあとは、建築会社の担当者と一緒に建物のチェックをします。注文どおりの仕上がりになっているか、傷や汚れがないかなど、設計どおりに施工されているかを確認しましょう。建築基準法に基づいた第三者による完了検査も行い、どちらのチェックでも不具合がなければ、鍵や保証書を受け取り、ようやく引き渡しとなります。
実際に入居するまでの多くの工程をしっかりと行い、満足のいくマイホームを手に入れましょう。