注文住宅の契約する際には、希望した金額や条件に添った内容になっているか、契約書を十分に確認することが重要です。家づくりは非常に高額な買い物なので、契約内容をきちんと確認せずに契約を結んでしまうと、予算がオーバーしてしまう、完成した家がイメージしていたものと違う、といったトラブルにつながることがあります。契約後に失敗したと後悔しないためにも、間取りやプラン、価格が固まったうえで契約するようにしましょう。
契約書類は専門用語も多く難しいと思われがちですが、焦らずに自分のペースで隅々まで目を通し、納得して契約することが大切です。
工事請負契約書には、発注者、工事請負者、工期、請負金額、代金の支払い方法など、契約の概要が明記されています。
着工日と引き渡し日に、具体的な日付が記載されているかを確認しましょう。「〇月中旬」「〇月吉日」など、あいまいな記載の場合は注意が必要です。特に引き渡し日がずれてしまうと、現在の住居の契約解除や引っ越しの手続き、住宅ローン減税など影響がでることもあります。また、万が一引き渡しが大幅に遅れ、遅延損害金を請求するようなことがあった場合、引き渡し日を基準に換算されるため正確な賠償を受けられなくなってしまいます。
注文住宅の支払いは、工事の進捗に合わせて分割して支払うのが一般的です。契約時に10%、着工時に30%、上棟時に30%、引渡時に30%という出来高払いの場合が多いですが、着工時に50%以上を請求される場合もあります。万が一、建築会社の倒産や、何らかのトラブルで工事が中断した場合、支払済みの建築費が返金されることはほとんどありません。無理な支払い条件になっていないか、しっかりと確認しておきましょう。
約款には、施工基準だけでなく、工事着工から引き渡し後にトラブルが起きた場合の対処法や解決方法など、契約書では記載できなかった細かい部分についての大切な取り決めが記載されています。
住宅施工会社には、基礎・柱・梁・屋根などの主要構造部について、新築住宅を引き渡してから最低10年の瑕疵担保責任を負うことが義務づけられています。それ以外の部分に関して、欠陥や不具合があったときの保証期間や内容は建築会社によってさまざまです。口頭での説明だけでなく、約款にも明確に記載されているか確認しておきましょう。
引き渡しが大幅に遅れた場合、違約金や損害金を請求することができます。金額が明確に記載されているか、極端に低く設定されていないか確認しておきましょう。
また、自然災害や火災、第三者によって損害が出た場合の責任の所在についてもしっかりと確認しておきましょう。火災の場合、建築会社が加入している保険でまかなわれることがほとんどですが、自然災害の場合は施主の負担になっていることがあります。工事中の第三者損害については、建築会社が責任を負うというのが一般的です。
契約後のトラブルを防ぐためにも、約款を事前に受け取り、確認ポイントについて明確な記載があるか目を通し、納得してから契約することが重要です。