斜線制限とは、道路や隣接地の日当たりや風通しを確保するために、建築基準法によって定められた建物の高さ制限のことです。
「絶対高さ制限」「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」などがあり、制限される高さは用途地域や都市計画によって異なります。
絶対高さ制限とは、第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域に適用されています。
住環境を良くするために、建築物の高さは10m以下または12m以下とされ、どちらの高さで制限されるかは都市計画で定められます。木造住宅なら3階建て、コンクリート造なら4階建て相当の高さなので、一般住宅であれば問題なく建てることができます。
道路斜線制限とは、道路の明るさや風通しに影響がでないようにするため、周辺に圧迫感を与えないようにするためなど、周辺環境の保全を目的に規制された高さ制限で、どの用途地域でも適用されます。
前面道路の反対側の境界線から、敷地側に向かって一定の勾配で記された線(道路斜線)の範囲内に建築物を建てなくてはいけません。この道路斜線は用途地域や容積率、道路の幅などによって適用距離と適用角度が変わり、建物の高さと位置が決まります。
また、建物を道路境界線より離れて建てる場合は緩和措置があり、基準となる反対側の道路境界線がセットバックした距離と同じだけ外側に移動するので、より高い建物を建てることができます。
隣地斜線制限とは、隣地の日当たりや風通しなど良好な環境を保つために規制された高さ制限で、「絶対高さ制限」のある第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域では、隣地斜線制限は適用されません。隣地の境界線上に用途地域によって決められた一定の高さをとり、そこから一定の勾配で記された線(隣地斜線)の範囲内で建築物を建てなければいけません。
北側斜線制限とは、北側の隣人の日当たりを考慮し南からの日照を確保するために規制された高さ制限です。特に良好な住居の環境を保護する必要のある第一種・第二種低層住居専用地域と第一種・第二種中高層住居専用地域に適用されます。
北側隣地の境界線上に用途地域によって決められた一定の高さをとり、そこから一定の勾配で真北方向に対して記された線(北側斜線)の範囲内で建築物を建てなければいけません。